2022年12月から腹膜透析を始めてから1年10カ月が経ちました。夫は1ヶ月に1度の定期受診をうけていました。恐れていた腹膜炎は1度も起こすことなく過ぎていました。透析液の白濁に驚き急遽受診したり(薬の飲み忘れが原因)、管の刺入部の炎症があり抗生剤を内服したこともありました。そのたびに問題は解決していたのです。
約3か月前から足背や手背の浮腫、体重の増加、夜間の咳が気になっていました。本人に言うと「前からだ。大丈夫だ。」と答えてくる。アレコレ言われることを嫌がるのはわかっている(特に診察室で私が口出しするのを嫌う)ので、受診の前には咳が続いてること先生に言ってねと待合室での時間に短く言う。診察室で先生へ夫が咳について言ってくれるが、医師はあまり気にも留めない。私の胸の中では「そんな言い方では咳の状態が伝わらないのに。」と思う。本人自体、それほど気にしていないのかとガッカリする。胸のレントゲンを撮ってもいたので大丈夫なのかと思うようにしていた。
シルバーウイークに子供や孫が集まり、夫は1週間前から食欲が落ちていたにも関わらず笑顔で過ごしていました。夫の咳が更に強くなっていたので息子が「お父さん夜、咳で眠れてないのでは?」と心配していた。私は毎日のことと思っていたし、本人もいつものことと言っていたので息子の言葉に、はたと気づいたのです。この咳の感じは私が肺炎になっていた時と似ている。夫の咳は乾いていて痰はなかったけれど夜間の咳の強さは肺炎か気管支炎になっているかもしれない。次の定期受診の時には何とかCT検査して欲しいと思いました。
次の定期受診の前に夫が微熱を出したので地元の病院を受診。そこは私の勤めている病院で咳の強さを伝えると胸部CT検査をすることになった。CT写真をみて驚きました。両肺の炎症、両肺の水、何より心臓の大きさ。頭の中にうっ血性心不全の病名が浮かびました。すぐに入院をと言われ、かかりつけの病院へ情報提供書を書いてもらいました。その日、すぐに入院となりました。
治療は肺炎へ抗生剤点滴、浮腫に対しては高濃度の透析液にて水を抜くこと。1週間の入院予定でした。私はとても安心しました。ゆっくり休んで治療を受けてくれたら食事もとれるようになるし、夜も眠れて体を休めるようになると思いました。透析のために普通に寝ることが出来ないのに咳でもっと寝られずにいたのだから体力が戻るまで入院して欲しい。新たな課題の水分制限 500㎖と厳しいけど今は頑張ってほしいと思ったのです。
それなのに「帰りたいと言ったら、帰っていいと言われたから今日迎えにきて。」と5日目に電話があった。2日前には抗生剤の点滴のチューブが自然に抜けたらしく、「また刺すと言われたから、嫌だなと言ったら点滴をしなくてよくなった」と電話して来た時に、私は「まただ。また我儘言っている。点滴をしなければ両肺の炎症はどうするの?」と心の中で思った。本人は悪びれもなく「薬にするから大丈夫なんだって。」と言った。その時も腹が立った。
そしてこの日だ。一体、どういうつもりなんだ。退院すると話しながら、咳で言葉が続いていない。これは肺の水が残っている、肺炎が完治していないということではないか。あの大きくなった心臓はどうするの?もの凄い苛立ちを感じながらも、帰りたいと言う患者を強く引き留めることができない病院側の立場もわかるし、何より夫の性格もわかる。私の苛立ちを怒りを気持ちをどこへ納めるといいのかしばらくわからなかった。
夫の退院後、しばらく私は非常に腹を立てていた。高濃度の腹膜透析液で体重が4㎏落ちていた、目がくぼんでいる。咳は相変わらず続いている。食欲もない。食事指導も受けていないのに、自分勝手に入院中の食事の写真を見てノートに献立を書き連ねている。塩分制限と高たんぱく食をと透析スタート時期に聞いてきたのに、入院中は腎臓食が出ていたようで低蛋白パンが出されていた。「このパン、また買おうかな。」と言う夫に心の中で違うだろうと突っ込みながら無視していた。「蛋白質が透析液でドンドン流れ出るから骨や筋肉が弱くなると言われていたでしょう」と言っても「だって、このパン出ていたよ。」と言う。病院で腎臓食でオーダーすると自然にそれが出てくるのだろう。とにかく私の言うことは信用されない。他の看護師の話でなければ信用できないようなので、次の受診時には食事指導をお願いしたいと思う。
水分制限の500㎖も適当だった。キチンと指導を受けず帰って来た方も悪い。食事にジュース125mlが付いたり、味噌汁が付いていた。これは500㎖内にカウントされていたのか、わからなかった。夫は別だと言う。夫は水分摂取はペットボトル250㎖の水を利用し1日2本を購入。退院最初の朝、普段は朝必ずコーヒーを飲むので小さなカップに125㎖入れて出そうとしたら、大きな声で「ダメに決まってるだろう」と言われた。決まり事がサッパリわからない。そんなキッチリしてない制限なのに意味不明だ。しかもインアウトのカウントも厳密にしていないのだ。大体500㎖飲んでね、体重でどのくらい水抜けたかみていこうねの程度なのだ。声を荒げられるいわれはないと思う。本人の判断でこの制限は退院3日目で無理だからという理由で800~1000㎖にしていたそうです。後日判明。
良かれと思うことは不要らしい。そう思えばこちらも楽だ。とにかく私は精神的ダメージを受けないように自分を守らなければこの先やってられん。怒りを気持ちを持ち続けていては私がダメになる。薄情なのかもしれないが、自分の決め事があるなら自分でやってくれと開き直ることを心がける事にした。
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