私は絵本が好きです。
今でも絵本コーナーに佇みます。
絵本が好きになったのは子供に読み聞かせをするようになってからです。
読み聞かせの始まりは、長男がなかなか寝てくれなかったからです。
とにかく、寝てしまったら絶対に損するとでも思っているのではないか、と思うくらい寝つきの悪い子でした。
体をトントンしながら子守唄を歌う。何曲も歌う。とにかく歌う。でも、なかなか寝ない。
私が先に寝てしまったふりをする。私が寝ていると諦めるのか、しばらくすると寝ることが多かったので、始めた手法でした。心の中で「早く寝て〜」と叫ぶ。
毎夜毎夜、それらを繰り返すのに疲れてしまって気づいたのです。
そうだ!本を読もうと。
そうすれば、私も楽しいし、時間がかかっても寝てくれるまで大変ではないと思ったのです。
これが、絵本との出会いです。
最初はリズミカルな文章、絵がカラフルな楽しい本を選びました。
赤ちゃん用におすすめといわれていた絵本はピンとこなくて、自分が読んで楽しいと思える本を選びました。
はじまりは偕成社の「ノンタン」シリーズです。子ネコのノンタンがブランコの順番を守れなかったり、お片づけが出来なかったり、小さな子供の日常生活が詰まっていて、最後にはホッコリするお話です。
中でも、お気に入りは原っぱにノンタンがお友達と猫じゃらしで遊ぶシーンです。
コチョ、コチョ、コチョとくすぐる場面では子供をくすぐりながら読むと、とても楽しい気持ちになります。私も子供も大好きな1冊でした。3人の我が子に読んでいるうちにボロボロになり2冊目を購入したくらいです。
言葉を覚え始めたころ、新聞広告のみかん、バナナなど食品などの写真を切り取って紙に貼り、クリアファイルに入れて手作りの絵本を作ったこともありました。
眠る前のひと時に指をさして「これはリンゴ」「これは牛乳」などと布団で横になりながら語りかけ、言葉を引き出していたこともありました。
そのうちに本選びってどうすればよいのかなぁ~と本屋さんでウロウロ。私には子供の頃にたった1冊、ディズニーの「眠れる森の美女」のアニメ絵本を持っていた、という記憶しかありませんから悩みました。
絵本の背表紙に、3~5才頃からと読む対象年齢が書かれているのを頼りにするしかありませんでした。
その中から乳児期では音の響き。弾むような楽しい気持ちになるような。そしてハッと目をひく色。
幼児期には実体験したことが、絵本の中に現れて共感できるもの。文章の中に隠れている気持ちが想像できるもの。
そんなことを考えて、絵本を買っていました。
長女が年中さんの時、通っている幼稚園で絵本についての講演会がありました。
絵本と児童書のみを置いている小さな小さな本屋の店長さんが話をしてくれました。
今でも覚えている言葉は「子供の興味ある本を、毎日読んであげてください。一人でこの本を読みなさいでは、いけません。読み聞かせて一緒に楽しみましょう。小学校高学年の子が3~4才向けの本を選んでも、これは小さな子が読む本だと、取り上げないでください。その本はその子に必要な心の栄養となってくれます。」というおっしゃったこと。
本=心の栄養…初めて聞いた言葉が、なにか胸あたりにスッと入った感じがしたことを覚えています。
この方に出会っていなかったら、今の私はないと思えるほどの大切な出会いでした。
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